CityGMLとCityJSONについての理解
アドベントカレンダー12月16日
ここにきてテーマ移行
これまでのゼミ論でした「blender-osmの導入マニュアル・活用例検討」ですがなかなか形が定まらず、実を言うと自分としてもこれを進めるにあたって納得のいく意義を見出せずにいました。そこで今回古橋先生から紹介していただいた東京都の「都市の3Dデジタルマップの実装に向けた産学官ワーキンググループ」の取り組みに関するゼミ論へ移行することに決めました。
この取り組みは東京都の基本計画における長期戦略の策定に向けた取組である「『未来の東京』戦略ビジョン」を推進する先導的事業となっています。
具体的な課題設定
元々のゼミ論で扱っていたblender-osmはOpenStreetMapのデータを読み込んで3D化するというものでした。今回の3Dデジタルマップについてもその方針は引き継ぎ、同じような方向性で
「CityGML データを Blender にインポートして3D都市モデルを Blender で使えるようにする。また現状の課題を整理する。」
という課題を設定しました。
CityGML と CityJSON とは
具体的な作業に取り掛かる前に今回扱うCityGMLとCityJSONというデータ形式の仕様について確認しました。進捗状況として、この二つの形式についてまとめたものを以下に記録しておきます。
CityGML
仮想3D都市モデルの保存と交換のためのオープンな標準化データモデル、交換フォーマット。3D都市モデルの基本的なエンティティ、属性、関係の共通の定義に到達することを目的に開発された。
主な特徴
・LOD(Level Of Detail)の考え方が導入されており、LOD の段階(全 5 段階を設定)に応じてモデルの表現する情報の詳細さが統一されている
・Application Domain Extension(ADE)と呼ばれる仕様拡張の方法を備えており、アプリケーション毎に必要となる詳細なモデル記述仕様を追加定義可能 (例:現在、トンネル、橋、配管設 備、騒音分布等を表現する ADE)
・3D都市モデルの費用効果の高い持続可能なメンテナンスに関して特に重要になる
・異なるアプリケーション分野で同じデータを再利用できる
・屋内を含む 3D 建物、地形や道路などの地物、電話ボックス、信号機や樹木など、様々な都市構成要素がモデル化されている
<一部参考>
UVM SYSTEMS
http://www.infoserve.co.jp/doc/UVMSystems/20150224_CityGRID%90%BB%95i%8AT%97%AA.pdf
CityJSON
デジタルマケットまたはデジタルツインとも呼ばれる3D都市モデルを格納するためのJSONベースのエンコーディング。ファイルの視覚化、操作、編集を容易にできるようコンパクトで開発者に優しい形式を提供することを目的に開発された。
主な特徴
・シンプルで、いくつかのソフトウェアでサポートされている
・CityJSONとCityGMLの間で双方向変換が提供されている
→CityJSONの使用=CityGMLデータモデルの使用
・CityGMLの同等のファイルよりも平均して6倍コンパクト
・国際規格として公式に標準化されていないが、OGC CityGMLデータモデルのサブセットのエンコーディング
次のステップは、CityGMLデータをBlenderにインポートし3D都市モデルをBlenderで使えるようにすることです。Githubにドキュメンテーションするのを忘れないように、頑張って進めていこうと思います!!